レビー小体型認知症の母

「認知症=アルツハイマー」と思われることも多いが、実はほかにも脳血管性認知症、レビー小体型認知症というものもある。
私も母が罹って初めて知った。
認知症と言えば物忘れという印象だが、レビー小体型認知症の場合はさほど目立たない。
それよりも家族として一番堪えるのは、せん妄。
被害妄想や、小動物が見えたり知らない誰かが部屋に居るように見えたりするなどの幻視、睡眠時の異常行動。

後はパーキンソン症状も出るので足元がおぼつかず、トイレに行こうとして転倒などはよくある。
波があって、良い時は発症する前よりも状態が良くなったが、その次に波が来ると以前の状態の悪い時以上に悪くなり、それを繰り返してだんだん落ちていくらしい。

母が入院しているとき、フルタイムで働いて帰宅後急いで夕食を作り、終わったらすぐに母の病院に行く日が続いたが、そんな時でも母は幻視で「男と逢ってただろ」などと訳の分からないことを言い、入院させたことが許せないらしく私を激しくののしり、そんなことをされてまでなんで忙しい思いをして見舞ってるんだかわからなくなり、二度と来るもんかと思ったこともあっみることは難しいと、入所を検討し母に告げたところ「親を捨てるのか」と大激怒。
当初「病院としては中立の立場」だと言っていた医師まで「そんなに嫌なら」と母の肩を持ち、入所を断念せざるを得なくなった。
代わりに今度は通所でケアマネさんと調整し、通所することが退院の条件だと母は認識しているようで、とにかく家が好きだった母が、今は退院してからずっとデイに通ったり訪問看護を受けたりと忙しくしている。
もちろん年相応に体は動かなくなってきてるけど、自分で買い物に行って食事を作るなど、まだまだなんとか在宅でやっていけそう。

息子の障害を知る介護職の友人に、母がレビー小体型認知症だと伝えたところ「お子さんが自閉症でお母さんがレビー小体型認知症だなんて、なんでお前ばっかりそんな思いをするんだ!」とやるせなさを理解してくれた。
ほんとそう。
「神様は人を選ぶ」なんて安易に言わないでほしい。

そんな母も80を超え、当面の目標は東京オリンピックをTV観戦すること。それは(開催されれば)かなえられそうなので、次の目標は来年1月の娘の成人式。晴れ着姿をしっかり見てほしい。
息子が小さい時、療育に通わせるときに母は娘を預かってくれ、とてもかわいがってくれた。
だから成人式の晴れ着姿だけでなく、大学卒業の袴姿も見届けてほしい。
状態が悪い時には、家族だからこそ辛く当たられることももちろんあるけど、
今の状態がいつまで維持できるかわからないから、せめて元気なうちに、できることはしてやりたいと今は思う。

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